La Movado2022年10月号 n-ro 860 1.南波文晴:第107回エスペラント大会へ行ってきました 2.九州大会、中国・四国大会のお知らせ 3.塚本猛:楽しい作文教室(134) 4.小阪清行:「中四国だより」1000号越えを記念して 5.南能衛/島谷剛:楽譜:Festo de vilagxo 村祭 6.紫式部/belmonto:対訳:源氏物語 第45帖 橋姫(8) 7.MUTO Tacuko: Kajero Libervola: La memoro pri vojagxo al Rusio antaux pli ol 40 jaroj 8.津田昌夫:書評:“La fera birdo” 9.SIMATANI Takesi:Stereogramo -solido sur papero- 10.島谷剛:日本昔話(18): Kuzunoha, la Blanka Vulpino 白狐葛の葉 11.斉木彰:出版情報:恵那学習会が「Ni vivos!」の2言語版を発行 12.Redakcio:vidis eksciis sentis: Gubernia limo sur fervoja kajo 13.La Movado:出口王仁三郎賞他 14.Tahira Minoru:Vortkruca enigmo 15.Simatani Takesi:kultura heredajxo: 小倉百人一首 16.Mikspoto 17.KLEG事務局だより 18.Kurantaj vortoj(メタバースほか) 19.編集ノート 20.図書広告 代替文字: OOooCxcxGxgxHxhxjxSxsxux ---------------------------------------------- 1.南波文晴:第107回エスペラント大会へ行ってきました 南波 文晴(神奈川県) 今年2022年の世界エスペラント大会は、カナダのモントリオールで8月6日から13日まで開催されました。コロナ禍がまだ続く中、「現地で感染したら帰れなくなるかも」と不安を感じつつもカナダに渡り、大会に参加してきましたので、印象をいくつか記してみたいと思います。 大陸横断列車「カナディアン号」 小さな頃から鉄道ファンだった私にとって、大陸を横断する長距離寝台列車は憧れの的でした。カナダには、バンクーバーとトロントを4泊5日で結ぶ「カナディアン号」が運行されています。そこで、成田からバンクーバーに飛んだ後、列車でトロント、乗り換えてモントリオールを目指すという旅程を組みました。 寝台列車の中で過ごす5日間。食堂車の隣にはドーム型の展望車も連結されています。個室寝台に滞在してのんびりと過ごし、食堂車で景色を眺めて食事し、食後は展望車でコーヒーを飲みながら一休み。そんなゆったりした日々を過ごしました。 そして、この列車の中で、私と同じく世界大会参加のためモントリオールを目指す旅人(ドイツのAndr〓 Weberさん)と偶然にも出会い、食堂車で同じテーブルにつくようになりました。このような出会いも、長距離の列車旅の魅力です。 日本からは3名、韓国からは20名以上 今回の大会は、世界的な物価高の影響もあり、参加登録しても実際に行けなかった人が多い大会でもありました。日本からの参加者は私を含め3名だけ。その一方、韓国からの参加者はとても多く、ざっと数えても20名以上でした。 日本と韓国でなぜ人数差がついたのか。私はKAOEM(アジア・オセアニア委員会)の分科会にて「なぜ皆さんはこんなに来ることができたのですか?」と質問してみました。 韓国の参加者の多くは、一年以上前から旅行団を組んで計画し、航空券やホテルなどの予約を進めていたのだそうです。そのため、情勢が変わっても既にキャンセルは不可能、その代わり、最近の物価高騰よりも前に安く予約できたのだとか。また、彼らは大会前後にも観光の日程をたっぷり取り、旅行期間は約1ヶ月とのことでした。 私も彼らも「もし陽性になって帰れなくなったら…」と不安なのは同じです。日本と韓国の人数差は、この旅行計画の規模、そして意気込みの差だったのだと気付きました。(かくいう私も、もし「とうとうカナディアン号に乗れるぞ!」という期待と意気込みが無かったら、モントリオールに行っていなかったかも知れません) 連夜のコンサート、そしてEkskurso 大会会場は、主会場はケベック大学モントリオール校のキャンパスでしたが、大ホール会場は徒歩10分ほどの劇場「Cin〓ma Imp〓rial」でした。会場間は歩行者天国になっている賑やかな目抜き通りで、散歩しながら向かうのは楽しかったです。この劇場では、Nacia VesperoやInternacia Vespero、そしてコンサートや演劇が毎晩のように開催されていました。古くて風格のある劇場で、ふかふかの椅子に座りながら鑑賞する夜のプログラム。心地良い夜の過ごし方でした。 大会のもうひとつの楽しみはEkskursoです。私は今回、水曜日と金曜日の2回Ekskursoに参加しました。特に金曜日の「Tradicia Acerejo」(伝統的メープル工房)は、サトウカエデ林を散策し、昔ながらのシロップ工房を見学、そしてメープルシロップたっぷりの昼食という、思い出に残る遠足でした。最後は売店小屋に案内され、つい調子に乗って大量のメープルシロップを買ってしまいましたが…。 ともあれ、3年ぶりの開催となったモントリオールの世界大会。オンライン大会もいいけれど、やはり世界大会は実開催が良いです。改めて「人と実際に会って触れ合って楽しむ」魅力を実感し、日本への帰路につきました(帰国前PCR検査は陰性で、無事に予定通り帰国できました)。 [日本エスペラント協会理事・NPO法人エスペラントよこはま理事] ---------------------------------------------- 2.九州大会、中国・四国大会のお知らせ 第94回九州エスペラント大会 ・大会テーマ: コロナ時代もエスペラント運動を発展させよう ・期日 2022年11月27日(日) ・形式 Zoomによるオンライン開催 ・参加費 2000円(記念品として缶バッジ2個付き) 外国からの参加者は無料(缶バッジなし) ・内容 講演(予定者)1.堀泰雄 2.間宮緑 3. KIM Seon-Wook(Suno) ほか ・申込先:福岡エスペラント会 (振替)01730-7-90788 ・問合せ:松本朗(メールmtmt@mx1.harmonix.ne.jp電話092-924-8051) 武藤たつこ(メールmutotatuko@gmail.com 、電話092-923-2877 ) ------------------------------ 第21回中国・四国エスペラント大会 ・日時 11月27日〜12月18日 毎週日曜日 (11月27日, 12月4日, 11日, 18日) 午後8時から9時まで 4日間開催 ・形式 Zoomによるオンライン開催 ・内容 各エスペラント会が30分または1時間の番組を披露する。 ※従来のような2日間開催にすると、オンラインで2日間パソコンを見続けることになります。それよりも、日曜日ごとに1時間のオンライン番組として開催することになりました。 ・連絡先 木谷奉子(メールkitani7@hotmail.com) ---------------------------------------------- 3.塚本猛:楽しい作文教室(134) @少し先に駅のホームへ上る階段が見える。 【訳例1】Oni povas vidi iom antauxe sxtuparon kondukantan supren al la kajo. (Lumo) 【訳例2】 Iom antauxe vidigxas la sxtuparo, kiu kondukas al la kajo de la stacio. (Ivajo) 【訳例3】 Iomete antauxe vi povas vidi la sxtuparon, kiu kondukas al la supra kajo de la stacidomo. (Haveno) 「少し先に」は iom antauxe(少し前方に)で表現できるでしょう。「ホーム」には kajo(岸壁、プラットホーム)が使えます。「上る」は supren(上の方へ)を使うことが考えられます。 訳例1では「駅の」は kajo に含まれると考えて省略したのでしょう。訳例2ですが、地下駅もあるので「上る階段」を明示する方がいいと思います。 訳例3は la supra kajo (上層の)を使っています。この「駅」には別の階にもホームがあり、その上の方のホームへの階段だと解釈したようです。 A正直なところ階段を上るのは少しきつい。 【訳例1】Se diri la veron, estas iom lacige supreniri la sxtuparon por mi. (Lumo) 【訳例2】Se diri senkasxe, por mi supreniri la sxtuparon estas iom malfacile. (Ivajo) 【訳例3】Verdire, estas iom malfacile supreniri la sxtuparon. (Drako) 「正直なところ」は「ほんとうは」という意味なので vero(真実)が使えるでしょう。「きつい」は体に負担が大きいという意味なので laciga(疲れさせる)や malfacila(困難な)があります。 訳例1は不定詞 diri を主動詞として使い se diri la veron と表現しています。この文は se mi diru la veron(ほんとうを言えば)という意味でしょう。このような短縮構文は意味上 -u や -us、-os、あるいは povi を使用した表現に相当します。 訳例2は「正直〜」に senkasxe(隠すことなしに)を使っています。他に malkasxe(率直に)も考えられます。honesta(誠実な、率直な)は倫理や名誉が絡むので少し違うかもしれません。 「階段を上る」を supreniri laux sxtuparon とした例がありましたがこの対格は不要だと思います。 B改札を通ってホームまでエレベータで行く。 【訳例1】Trapasinte la kontrolejon mi per la lifto supreniras sur la kajon. (Ivajo) 【訳例2】Mi iros al la kajo per lifto post trairo de la kontrolejo pri bileto. (Lumo) 【訳例3】Mi prenas lifton por iri al la kajo tra la kontrolejo. (CA) 「改札」は駅の改札口の略で、切符を調べたり集めたりする場所なので kontrolejo が使えるでしょう。機械化されている場合が多く kontrolisto(検札係)はあまり見かけません。「エレベータ」には lifto(昇降機)が使えます。エスカレーターなら sxtuparlifto や eskalatoro で表現できます。 改札を通った後エレベーターを使うと考え、時間差を表すのに訳例1では能動完了分詞を、訳例2では前置詞 post と未来形を使っています。訳例1は既に改札を通った後での発言ですが訳例2は改札を通る前の発言でしょう。訳例3は課題の文を「エレベータ」の前で区切って読んだのでしょう。 Cホームには乗客のための椅子がいくつかある。 【訳例1】Sur la kajo trovigxas kelkaj segxoj por pasagxeroj. (Lumo, Ivajo, CA) 【訳例2】Estas pluraj segxoj por pasagxeroj sur la kajo. (Drako) 【訳例3】 Kelkaj segxoj estas sur la kajo por pasagxero. (綴り修正:Jasuko) 解説 「乗客」は pasagxero(乗客、旅客)が使えます。「椅子」は腰掛けるための家具なので segxo(一人用のいす)や benko(ベンチ)が考えられます。背もたれのない腰掛けは tabureto(スツール)で表現できます。足置きは benketo と言えます。 「いくつか」は、訳例1の kelkaj(いくらかの)や訳例2の pluraj(複数の)が使えます。個別の椅子には関心が無く単に椅子があることだけを表現したければ kelke da を使うことも考えられます。 訳例2、訳例3では「ある」に esti を使っていますが、訳例3のような文では分かりにくくなってしまいます。esti と同義に使える trovigxi の方がいいかもしれません。trovi と違い trovigxi に目的語はなく、主語に oni を使う必要もありません。なお訳例3の pasagxero は複数形にします。 ------------------------------ 楽しい作文教室(134)成績 10人の方から応募がありました。( )内は留意事項です。 うん、良いね: Lumo, Ivajo, CA, Jasuko(Ckeikaj, pasagxero), ikona(A動詞修飾)。 良いね: Drako, Haveno(Bpasante), Celejo (A動詞修飾 Bpasante), Eiko(Btrairante), ハルちゃん(@trouvi A対格 Bpreter)。 ------------------------------ 楽しい作文教室12月号課題(10月20日締切) @広くて安い大会会場はなかなか見つからない。 A前回と同じ会場を予約してはという提案が出た。 B交渉はいるが大会会場はなんとかなるだろう。 C大会テーマとシンボルマークの提案もあった。 (ヒント)予約する rezervi ion、シンボルマーク emblemo。trakti、iel を調べましょう。 日本語の原文の内容が、相手にはっきり伝わるように考えて訳してください。 送付先: [郵送]〒674-0092明石市二見町東二見515-1-811 塚本 猛 [電子メール]c_tak@esperanto.ne.jp (件名に「作文」の文字を入れてください) 添削は受け付けておりませんのでご了承ください。 ---------------------------------------------- 4.小阪清行:「中四国だより」1000号越えを記念して 小阪 清行(香川県) 「中四国だより」が1000号を越えたのを機に、このメール会報発足の経緯などについて一文を、とのご要望が編集部から伝えられました。すでに「中四国だより」1000号の配信に際して「会報1000号配信に際して」と題して、編集者として思い出話のようなものを書いたことがあります。部分的にこれと重複しますが、悪しからず。なお、今日現在(2022/08/06)で発行数がすでに1017号に達しております。 残念ながら初期の原稿を何かの手違いで削除してしまい、この会報が誕生して何年になるのか正確には分かりません。 ですが、「第1回 中国・四国エスペラント大会」が蒜山高原で開催されたのが1998年でして、メール会報を始めたのは同時期でしたので、ほぼ24年前のことになるでしょう。配信開始の頃壮年だった編集者も、来年はもう後期高齢者の仲間入りです。随分視力が落ちてきましたので、数年前、誰か代わりに配信作業をやってもらえないだろうかという記事を流しましたが、反応は全くありませんでした。 さて、中国四国連盟発足の頃、東かがわ市の三好鋭郎さんのところで働かれていたレザ・ヘイルハさん(現在台湾在住)と、屋島の四国村を散歩していたとき、元ジャーナリストの彼から「中国・四国の大会とか連盟が存在しながら、機関誌が存在しないのはおかしい」と言われたことを、はっきり覚えております。僕のような「運動」のド素人の脳裡にはそんな発想の欠片も存在しませんでした。 中国・四国連盟はゆるやかな連合体ですので、会計がありません。機関誌を発行しても、まず郵送するお金が皆無でした。しかし当時は、ウインドウズ95が発売されて間もない頃で、コンピュータブームの最中でした。1997年の阿波池田における日本大会の準備会でも、かなりコンピュータを活用しておりましたので、メールで会報を配信することにした次第です。 いまやZoomなどで会議をやる時代ですので、メルマガも古臭くなってきた感が否めませんが、一応編集者の視力のもつ限り続けたいと思っております。 「中四国だより」ですが、近年は中四国を越え、関西、関東、また海外の記事も掲載しております。色々な情報が寄せられますが、中四国の方から寄せられた記事は、すべて載せるようにしております。(今までお断りしたのは、ただ一度だけで、極めて政治色の強い、しかもエスペラントとは何の関係もない記事でした。)これだけ情報が溢れていますと、当然、取捨選択の必要がでて参ります。その際、どうしても編集者の主観や好みが紛れ込みがちです。一人でやっている編集者の作業で、一番難しいのはこの点だと、自覚しながらやっております。 さてZoomと言えば、次の中国・四国大会はオンラインで、つまりZoomを使って開催されることがほぼ確定しております。徳島エス会が担当となっておりましたが、コロナにより2年間中断されておりました。徳島鳴門の木谷奉子さんが中心となって、1年ほど前からオンライン研修会が毎月(原則として最終日曜日の午後8時〜9時)行われていることはご存じかと思います。これによって培われた技術力を使って、リモート大会を開催することになります。 ここで一番の問題点は、十分なコンピュータ(技術)を持たない方がいらっしゃり、参加したくても参加できない方がでてくることです。また、実際に顔を付き合わせて、食事をしたり酒を汲み交わしながら、お互いの人柄に触れることが、大会の何よりの楽しみ、醍醐味でしたが、仮想空間では人間関係の希薄さが避けられません。これが二番目の問題点です。もう一つは、まだまだ技術的な問題が多いことです。例えば、声が聞き取りにくい、あるいは上手く画像が出ないなど、技術的トラブルで時間のロスが生じる等々。 ですが、コロナの時代において、これは致し方ないことなのでしょう。できる範囲内で、最善の番組を用意していただけることと大いに期待しています。 大会に関する詳しい情報は、今後「中四国だより」で逐一報告いたします。たくさんの方々の参加をお待ちしております。 [編集部より] メール会報「中四国だより」を受け取りたい方は、小阪さん(kiyuyoki.kasako@gmail.com)にご連絡ください。 ---------------------------------------------- 5.南能衛/島谷剛:楽譜:Festo de vilagxo 村祭 村祭 文部省唱歌。作詞者不詳、作曲 南 能衛(みなみ よしえ、1881 - 1952) 1) 村の鎮守(ちんじゅ)の 神様の 今日はめでたい 御祭日(おまつりび) ドンドンヒャララ ドンヒャララ ドンドンヒャララ ドンヒャララ 朝から聞こえる 笛太鼓 2) 年も豊年満作(ほうねんまんさく)で 村は総出(そうで)の 大祭(おおまつり) ドンドンヒャララ ドンヒャララ ドンドンヒャララ ドンヒャララ 夜まで賑(にぎ)わう 宮の森 3) 稔(みのり)の秋に 神様の めぐみたたえる 村祭 ドンドンヒャララ ドンヒャララ ドンドンヒャララ ドンヒャララ 聞いても心が 勇み立つ ----------- Festo de Vilagxo poez. nekonata, muz. Minami Josxie (1881-1952), trad. Simatani Takesi 1)En Festo de protekta dio deAl’ vilagx’ Cxiu muzikas kaj dancadas por omagx’ Bum, bum, pepas pep! Bum, pepas pep! Bum, bum, pepas pep! Bum, pepas pep! Flutoj kaj tamburoj gajaj sonas de maten’ 2)En jaro kun rikolto ricxa en vilagx’ Tuta vilagxo nun festenas sen domagx’ Bum, bum, pepas pep! Bum, pepas pep! Bum, bum, pepas pep! Bum, pepas pep! Gajas vilagxanoj cxe sanktejo gxis vesper’ 3)Ricxas rikolto de auxtuno en vilagx’ Cxiu al Dio dankas, festas por omagx’ Bum, bum, pepas pep! Bum, pepas pep! Bum, bum, pepas pep! Bum, pepas pep! Cxiun kuragxigas la muziko de festen’ ----------- 公開用リンクtenejo: https://1drv.ms/u/s!AkMetcVr7wWjgbQGXcAp25lAWjaX8Q?e=zSoTlZ ---------------------------------------------- 6.紫式部/belmonto:対訳:源氏物語 第45帖 橋姫(8) ”Ho, ne faldventumilo sed similforma plektro povas alvoki lunon! ” Sxia vizagxo rigardanta la lunon preter gxi estis cxarma kaj fresxe bela. La alia princino, metanta sin sur kubuto apud sxi, apogis sin sur la kotoo, kaj ridis: ”Antikva rakonto diras: ’frapilo*1 alvokas la subirantan sunon’. Vi elpensis la novan esprimon.” Sxia figuro tenis pli da trankvileco kaj gracieco. La unua rebatis: ”Jes, mi aprobas. Sed la plektro havas gravan rilaton kun la luno*2.” Ili naive interparoladis kun sxercoj, kio estis alia ol lia antauxsupozo. Tio estis aminda kaj afabla kaj sprita. Kiam oni auxdas legadon de la junaj cxambelaninoj pri tradiciaj rakontoj rakontantaj similan situacion, la fabeloj nepre mencias la aferon, ke oni trovis belan filinon en montovilagxo. Kavoru malsxate supozis ilin falsaj, sed nun lia koro sxanceligxis, ke povos okazi tia sxanco en cxi tiu fojo. La nebulo estis densa kaj li ne povis klare rigardi ilin. Li deziris, ke la luno brilu refoje. Tiam de interne de la cxambro, ”Gasto venis,” iu sxajne diris, kaj la bambukurteno estis mallevita, kaj cxiuj homoj tiris sin funden en la cxambron. La princinoj kasxis sin silente kaj milde sen konsterno. Ilia movo estis korpika sen susuro de vestoj. Kavoru supozis ilin tre noblaj kaj graciaj kun kortusxo. Li silente foriris de la loko kaj sendis mesagxiston al la Urbo, ke bovcxaro venu por preni lin. Li diris al la lasta dejxoranto: ”Mi vizitis en nedeca tempo, sed spite okazis io gajiga, konsolanta mian melankolion. Menciu mian alvenon al la princinoj. Mi volas grumble rakonti mian dusxe malsekigitan aventuron.” Tiu foriris kaj transdonigis lian parolon. 11. Kavoru parolas kun la granda princino La princinoj tute ne pensis, ke iliaj figuroj estis kasxe viditaj, kaj tre hontis, cxu li auxdis ilian ensembladon luditan laux libera koro. Kun sxanceligxo ili honte pentis sian neatentemon en la neatendita tempo, kiam trablovis vento strange kun bona odoro.La cxambelanino peronta lian saluton sxajnis ankoraux nelerta persono, kaj li decidis agi laux cirkonstanco, tempo kaj okazo. La nebulo dauxre kovris la cxirkauxon, tial li pasxis antaux la lastan bambukurtenon kaj tie eksidis. La junaj cxambelaninoj similaj al montovilagxanoj ne havis vortojn kiel lancxi en cxi tiu okazo, kaj la maniero prezenti sidkusenon al li estis hezite mallerta. Kavoru diris kun la serioza mieno: “Mi sentas neafabla ekster cxi tiu bambu-kurteno. Mi ne povintus viziti vin sur tiom kruta montovojo kun la malprofunda koro, sed vi traktas min malplacxe. Mi kredas ke vi ekscios mian koron, se mi ripetos cxi tiujn vojagxojn malsekigatajn de plenaj rosoj.” Junaj kompetentaj virinoj ne sxajnis servi tie, kaj la princino ne povis teni sin senvorta pro ilia honto perdinta sian konscion. Ili iris funden de la cxambro por veki maljunajn servistinojn. Longa tempo pasis. Sxi timis, ke tio aludas intencan iriton al la atendanto, do mem alparolis lin: “Ni havas nenian scion distingi. Kiel ni respondu, kvazaux cxioscianto?” Sxi diris en la vocxo gracia kaj nobla, sin turnante de li. (dauxrigota) ---------- *1 Originallingve “bati” signifas: 1e plektro kaj 2e frapilo. *2 La bivo havas plektringon sur gxia surfaco, kiu estas nomata“lunkasxo”(originallingve: ingetu). ---------- 「扇(あふぎ)ならで、これしても月はまねきつベかりけり」 とて、さしのぞきたる顔、いみじくらうたげににほひやかなるべし。添ひ臥(ふ)したる人は、琴(こと)の上にかたぶきかかりて、 「入る日をかへす撥(ばち)こそありけれ、さま異(こと)にも思ひおよびたまふ御心かな」 とて、うち笑ひたるけはひ、いますこし重(おも)りかによしづきたり。 「およばずとも、これも月に離るるものかは」 など、はかなきことをうちとけのたまひかはしたるけはひども、さらによそに思ひやりしには似ず、いとあはれになつかしうをかし。昔物語などに語り伝へて、若き女房などの読むをも聞くに、必ずかやうのことを言ひたる、さしもあらざりけむ、と憎く推しはからるるを、げにあはれなるものの隈(くま)ありぬべき世なりけりと、心移りぬべし。 霧の深ければ、さやかに見ゆべくもあらず。また、月さし出でなんと思すほどに、奥の方より、   「人おはす」 と告げきこゆる人やあらむ、簾(すだれ)おろしてみな入りぬ。驚き顔にはあらず、なごやかにもてなしてやをら隠れぬるけはひども、衣(きぬ)の音(おと)もせずいとなよらかに心苦しくて、いみじうあてにみやびかなるをあはれと思ひたまふ。 やをら立ち出でて、京に、御車率(ゐ)て参るべく、人走らせつ。ありつる侍(さぶらひ)に、 「をりあしく参りはベりにけれど、なかなかうれしく、思ふことすこし慰めてなむ。かくさぶらふよし聞こえよ。いたう濡れにたるかごとも聞こえさせむかし」 とのたまへば、参りて聞こゆ。 11 かく見えやしぬらんとは思しも寄らで、うちとけたりつる事どもを聞きやしたまひつらむ、といといみじく恥づかし。あやしく、かうばしく匂ふ風の吹きつるを、思ひがけぬほどなれば、おどろかざりける心おそさよ、と心もまどひて恥ぢおはさうず。御消息(せうそこ)など伝ふる人も、いとうひうひしき人なめるを、をりからにこそよろづのこともと思いて、まだ霧の紛れなれば、ありつる御簾(みす)の前に歩み出でて、ついゐたまふ。山里びたる若人どもは、さし答(いら)へむ言の葉もおぼえで、御褥(しとね)さし出づるさまもたどたどしげなり。 「この御簾(みす)の前にははしたなくはべりけり。うちつけに浅き心ばかりにては、かくも尋ね参るまじき山のかけ路(ぢ)に思うたまふるを、さま異(こと)にてこそ。かく露けき旅を重ねては、さりとも、御覧じ知るらむとなん頼もしうはべる」 と、いとまめやかにのたまふ。 若き人々の、なだらかにもの聞こゆべきもなく、消えかへりかかやかしげなるもかたはらいたければ、女ばらの奥深きを起こしいづるほど久しくなりて、わざとめいたるも苦しうて、 「何ごとも思ひ知らぬありさまにて、知り顔にもいかがは聞こゆべく」 と、いとよしあり、あてなる声して、ひき入りながらほのかにのたまふ。 (続く) ---------------------------------------------- 7.MUTO Tacuko: Kajero Libervola: La memoro pri vojagxo al Rusio antaux pli ol 40 jaroj Muto Tacuko (Hukuoka) 約40年前、ソ連体制下のロシアを訪れたときの体験を回想する。 ---------- En la jaro 1980 okazis olimpikoj en Moskvo, kaj en la vintro post tiuj olimpikoj mi vojagxis al Rusio (tiama Sovetunio) utiligante vojagxgrupon kun mia amikino. La vojagxo dauxris dum 13 tagoj, kaj la itinero estis jena: Niigata(sxipe), Nahxodko(trajne),Hxabarovsko (aviadile), Moskvo(trajne), Leningrado(trajne), Moskvo(aviadile), Hxabarovsko(trajne), Nahxodko (sxipe), Niigata. Nia sxipo nomata Hxabarovsko estis cxartita sxipo kaj suficxe granda tamen atingis al Nahxodko 7 horojn prokraste pro malserena vetero. Nu, en Rusio ni tranoktis en du hoteloj nur 5 noktojn el 12 noktoj, kaj ceterajn 7 noktojn en veturiloj kiel sxipo, trajno kaj aviadilo. Sed la du hoteloj en du grandaj urboj, nome Moskvo kaj Leningrado (nuna Sankta-Peterburgo) estis tre luksaj kaj modernaj. Cxefe tiujn du urbojn ni turismis kaj aliajn urbojn kiel Nahxodko kaj Hxabarovsko preskaux trapasis. En Moskvo ni turismis per turisma auxtobuso bone varmigita. Tra la fenestro ni povis vidi kaj konstruajxojn kaj pasantajn homojn en ordinaraj tagoj. Cxe kelkaj vidindaj lokoj ni elbusigxis kaj turismis gvidate de cxicxerono oficiala. La vizitintaj lokoj estis jenaj: la Rugxa Placo, Novodevicxi-monahxinejo kaj Moskva Universitato. Krome ni spertis veturadon per metroo kaj turismon en kelkaj stacioj, kiuj estis tre bone kaj bele konstruitaj kun ornamajxoj. Sed pri la eskalatoro mi sentis timon pro gxiaj rapideco, kruteco kaj longeco. En la sekva tago ni iris al Leningrado. Leningrado estas tre bela urbo, tio estis mia unua impreso. Ni pasigis en tiu urbo du noktojn kaj tri tagojn gxuante diversajn artajxojn kaj spektaklojn. El ili la Muzeo de Ermitejo impresis min. Fakte gxi estis belega kaj impona. Bedauxrinde al ni mankis tempo, tial ni povis resti tie nur mallongan tempon. Venis nova jaro 1981 kiam ni restis en la urbo Leningrado. Oni okazigis novjaran feston en nia hotelo. Multaj bongustaj mangxajxoj kaj trinkajxoj estis arangxitaj sur tabloj. Cxio estis tre luksa. En la unua de januaro ni veturis al Moskvo pertrajne. Antauxtagmeze de la sekva tago nur iom da tempo estis libera por ni. Do mi kaj mia amikino volis provviziti Lenin-bibliotekon kiu hazarde situis ne tre malproksime de nia hotelo. Perpiede ni atingis la konstruajxon kaj volis eniri. Kompreneble ni ambaux tute ne komprenas rusan lingvon. Cxe enirejo alvokis nin gardistino kaj sxi kondukis nin en iun cxambron, kie sidis cxe tablo sxajne gravulino, kaj sxi diris angle al ni veni kun cxicxerono oficiala, se ne oni ne povas eniri en la konstruajxon. Sxia parolmaniero estis gxentila kaj konvinkite ni foriris. Vespere ni gxuis eksteran ludon. Ni spertis trojkon. Gxi estis kalesxo tirata de tri cxevaloj. Kaj poste ni vizitis teatron Bolsxoi, kaj spektis operon “Otelo” en tre oportune situitaj segxoj. En la alia tago ni vizitis la Muzeon de Trecxakov kaj Cirkejon Bolsxoi. Ni gxuis diversajn vidindajxojn en Rusio. Fakte tiu vojagxo estis tre luksa, sed ne tre multekosta. Tiam ankoraux estis la tempo de Sovetunio kaj persone vojagxi en tiu lando estis ne facile. Oni anticipe ne informis ecx vojagxgrupanojn, en kiu hotelo ni tranoktos. Kontakti kun iu persono por alilandano ne estis permesate, kaj se iu volas viziti ies domon, tio devis okazi tute sekrete. Supozeble por montri nur bonajn kaj prosperintajn partojn de tiu lando oni okazigis olimpikojn kaj ankaux grupvojagxojn, mi supozis. Jam pasis pli ol 40 jaroj de tiam. Sovetunio malaperis. Kaj nun okazas malgxojinda kaj malhumana milito inter Rusio kaj Ukrainio.Vidante malnovajn fotojn kaj rememorante spertojn en Rusio mi ne povas ne pregxi plej baldauxan finigxon de la milito. ---------------------------------------------- 8.津田昌夫:書評:“La fera birdo” 津田 昌夫 (愛知県) 本誌855号で紹介していただいた私たちの「スマホによる例会」では、この5月に“Cxu vi parolas Esperante?” を終え、いまは表題のモデストさんの本で勉強を続けている。100頁ほどに30編の短編小説(短いのは2頁、長くても6頁)が収まっている。女の子が空を飛んでいるといったファンタジーあり、若い男女の純愛ものあり、鹿、狼、馬、犬、ハゲタカ、オウム、ツバメとの関わりを通じて人の生き方を考えさせるものあり、さらには、コロナの外出禁止令で人影の途絶えた町へやってきた移民労働者が途方に暮れる話などがある。私がモデスト節と呼ぶ、山川草木や四季の移り変わりのカラフルで詩的な描写もたっぷりのモデストさんの新刊である。 日がな一日公園のベンチに座っている老人、その老人にある日若い女性が「お父さん!」と呼びかけるといった話も多い。モデストさんも年をとったな、と思いながら読み進めた私のお気に入りは、『第25話 ボス狼』と『第30話 灯台守』だ。 例会では、現在(2022年8月)、第8話まで読み進めているが、生徒さんたちにこれまでのうちで印象に残った作品とそれについての感想などを知らせてもらい、以下にまとめた。 『第4話 大洪水』 仕事でトラブルを抱え、心を閉ざしていた夫と、その夫を心配する妻が、久しぶりに別荘に出かけ洪水に遭ってしまう話。救助もあてに出来ず、水が床上まであがってきた時に妻が「私はずっとあなたを信じていました」と言う。彼女はどんな思いでこれを言ったのか。絶体絶命の時、愛する人にどうしても言っておきたいことは…。モデストさんの女性観、日本の洪水との違いなど、話題がどんどん広がっていく。エスペラントを学び始めて1年あまりの私にも楽しんで読める長さであり、さらに仲間の配慮もあり、楽しみながら学べる教材となっている。(堀田真弓) 『第7話 Velkoとパン』 勉強も出来ず、中学卒業後はどんな仕事についても役に立たず首になる Velko は、地方に出て自分にあう仕事を探したいと親に言う。父親は「うまくいかなかったらいつでも帰ってこい。家のドアはいつも開けてある」と言って送り出す。この言葉は、出会った老パン職人のしみじみと温かい言葉、「パンには魂がある。パンは子供のようだ。美味しいパンになるように心を込めてこねなさい」と共鳴している。自分でパンを焼いたことのある人ならこの言葉に膝を打つだろう。そして、他人の暮らしに必要な手仕事が人を鍛え、育てることに深く同意するだろう。もちろん、ここで言うパンは天然酵母パンである。(加藤萩子) 『第2話 贈り物』 どんな贈り物かと読者の興味をそそりながら最後まで一気に読ませます。ある停車場のホームでの父と家族との別れ、プーチンの戦争で見なれたシーンが冒頭にあります。息子はやがてバンドのギタリストとして各地で公演するようになります。そんな矢先、見知らぬ男が訪ねてきてお父さんの贈り物だと魅惑的な曲をギターで弾きます。父が作った曲で亡くなる前に託されたのだと。モデストさんは短編の中で書かなかったことを想像に任せるという手法で、読者をひきつけます。眠れぬ夜にあら筋を思いだし、想像し、勝手に物語を作り上げそのうち眠りに引き込まれるというふうに、私には不眠症の特効薬になっています。(津田浜子) 「エスペラントはハイブリッド言語で好きになれない」と、30年ほど前に拒否した私の英会話の先生に代表される、エスペラントのことをよく調べもせず、「ザメンホフという個人が創った人工語だ、ロボットが話すような言葉だろう、エスペラントで恋愛なんかできるわけがない」といった非難をする人が今でもいる。そんな非難と全く無縁に、まるで直木賞をとった話題の本でも読むように、「おそらくモデストさんには離婚の経験がある、でなければこんなふうに書かない」とか、「この悪がしこい旦那さまはきっと奥さんに離縁される」などと、井戸端会議のように会話が弾むので、例会をしていて私は本当に驚かされる。「私の創った言葉でこんなにみんなが楽しんでくれている」と、ザメンホフさんは喜んでいるにちがいない! ---------------------------------------------- 9.SIMATANI Takesi:Stereogramo -solido sur papero- 3次元の立体を認識するために、私たちの脳は両眼の視差を利用しています。人工的に視差を作れば、平面である紙の上に立体があるかのように脳をだませる、それがステレオグラムです。 ---------- Ni vivas en mondo tri-dimensia. Unuopaj okuloj, tamen, vidas nur du-dimensiajn bildojn. Kiel do ni sentas profundecon de reala mondo? Inter la okuloj estas cxirkaux sep centimetroj da distanco; kaj ili vidas unu saman objekton de malsamaj direktoj. Tiu delikata diferenco naskas profundecon en la cerbo. Se estas tiu delikata diferenco, la cerbo sentas reliefon ecx sur papero. ― Jen tio estas stereogramo. Vi povas fari stereogramojn per fotilo kun stereoskopo, per komputilo aux per simpla krajono. ---------- 画像: tenguo 天狗、Feniksa Halo 宇治平等院鳳凰堂、Kanagawa Oki Namiura (Kacusxika Hokusai)神奈川沖浪裏(葛飾北斎)、Kondoro fluganta supre上空を飛ぶコンドル。 ---------------------------------------------- 10.島谷剛:日本昔話(18): Kuzunoha, la Blanka Vulpino 白狐葛の葉 Japana Malnova Rakonto (18)Kuzunoha, la Blanka Vulpino rerakontis Simatani Takesi Antaux multaj jaroj vivis samurajo Abe no Jasuna. Kun subuloj li vizitis la templon Sxinoda en la provinco Izumi. Post pregxo ili venis al kampo kun belaj auxtunaj floroj. Tie ili festenis inter ekranoj. Baldaux proksimigxis bruantoj. Kaj subite inter la ekranojn enkuris blanka vulpo. Oni kredas, ke blanka vulpo estas enkarnigxo de dio. Jasuna kasxis la vulpon en sian vojagxkorbon. Krudaj samurajoj envenis tretante la ekranojn. Ili postulis la vulpon. Jasuna rifuzis kaj la kanajloj ekatakis. Cxiuj subuloj estis mortigitaj kaj Jasuna mem estis grave vundita. Kiam Jasuna reakiris konscion, lin flegadis bela knabino nomata Kuzunoha. Sxi akompanis lin al sia domo. Monatojn Kuzunoha flegadis lin sindone. Venis printempo kaj finfine Jasuna resanigxis. Tiam li amis la knabinon. Li rezignis esti samurajo kaj cxe sxia domo ekplugis kampon. Baldaux Kuzunoha naskis knabon. Kiam la filo havis sep jarojn, post ludo li reiris hejmen kaj trovis sian patrinon dormanta cxe la teksilo. Ho, ve! Sxia vizagxo estis tiu de vulpo! Terurita, li forkuris kaj raportis cxion al la patro. Kiam ili reiris hejmen, jam ne trovigxis Kuzunoha kaj sur paperpordo restis jena utao: Kiam mi mankos, vizitu Kuzunoha, blankan vulpinon plorantan en Izumi en Arbaro Sxinoda. Jasuna kaj la filo vizitis la Arbaron Sxinoda. Aperis blanka vulpino. Sxi konfesis: Pro dankosxuldo sxi transformis sin homo. Jasuna trovis sxin vulpo, kaj sxi ne plu povas vivi en homa mondo. Por sxtopi mankon de patrino la filo ricevu oran skatolon kaj kristalan globon. Dank’ al magiaj fortoj de du trezoroj la filo farigxis plej fama divenisto, kiun oni nomas Abe no Seimei. ---------- 日本昔話 (18)白狐葛の葉(びゃっこくずのは) 島谷 剛 再話 昔々、安倍保名(あべのやすな)という侍がいました。家来を引き連れて、和泉の国の信田(しのだ)明神に出かけました。参詣のあと、美しい花々が咲き乱れる秋の野に来て、幕を張って宴会を始めました。 しばらくすると、騒がしい人声が近づいてきました。そしてとつぜん、真っ白な狐が幕の内に逃げ込んできました。白狐は神の化身だといいます。保名は狐を荷物の箱の中へ隠しました。 荒々しい侍たちが幕を踏み倒して、狐を出せと迫りました。保名が断ると、怒って切りかかりました。家来たちは切り殺され、保名も重い傷を負いました。 保名が気がつくと、葛の葉(くずのは)という名の美しい娘が傷の手当てをしていました。娘は彼を自分の家に連れて帰りました。 何ヶ月もの間、葛の葉は献身的に看病しました。春が来て、やっと元気になったとき、保名は娘を愛するようになっていました。侍を捨てて、娘の家で畑を耕して暮らすことにしました。 やがて、葛の葉は男の子を産みました。子供が7歳になったとき、遊びから家に帰ると、母親は機織(はたお)り機の前で、うたた寝をしていました。なんと、母親の顔は狐の顔でした。 子供は驚いて逃げ出し、父親に報告しました。二人が家に帰ると、母親はいません。障子に「恋しくば 尋ね来て見よ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」という和歌が残っていました。 保名と息子が信太の森に訪ねてゆくと、白狐が現れ「自分は恩返しのために人間の姿になったのだけれど、本当は狐であると知られたから、もう人間界には留まれない」と告げました。自分のかわりにと、葛の葉は金の箱と水晶の玉を息子に与えました。 この二つの宝物の不思議な力のお陰で、息子は安倍の晴明(あべのせいめい)という、有名な陰陽師(おんみょうじ)になりました。 --------------------------------------------- 11.斉木彰:出版情報:恵那学習会が「Ni vivos!」の2言語版を発行 斎木 彰(岐阜県) 『対訳 私たちは生きる! Ni Vivos!』、2022年、恵那学習会、1000円(税別)。 恵那学習会は、もう20年以上続いているエスペラントの学習会である。特に会員制ではないので一応誰でも参加できるのだが、常連のメンバーは皆が中級以上の6人である。ときに外国からのお客さんを迎えてお茶会などの交流をすることもあるが、主に読書会を行っている。「アンネの日記」「Marta」など、一人ではなかなか読みきれない本もみんなで読むとなんとか読み切れるものであるし、メンバーそれぞれの読み方に新しい視点を与えられて目が開く思いになることも多い。 最近は例によってリモートで学習会を行っているが、リアルに集まっていたときよりも回数が多くなっている。当初は Zoom だったが、最近は時間制限のないJitsi Meet を利用している。 Julian Modest の戯曲「Ni vivos! 」を翻訳し、対訳本として出版しようと決めたのが2020年の8月だった。 それ以来約1年半にわたって検討を進め、やっと出版にこぎつけた。初めに6人で分担をして日本語訳をし、それをみんなで検討した。その後全部を通して読み合わせ、全体の一貫性や原作の雰囲気をできるだけ壊さないようにしながら自然な日本語にするという困難な仕事に取り組み、翻訳をじっくり完成させていった。 この本は、ザメンホフの末娘リディアとその家族の晩年の生活を描いている。ナチによるユダヤ人絶滅計画が進められていた時代、ワルシャワ・ゲットーにおける彼らの生活は想像を絶する過酷なものであった。私たちも翻訳作業を通して、彼らの生活を追体験した思いである。 当初は初心者にも読みやすいようにできるだけ原文に忠実に訳そうとしたのだが、次第にできるだけ自然な日本語を追求する方向に変わっていった。しかし、正直なところ、十分こなれた、文学的な日本語に仕上がっているという自信はない。 当時の社会を非常に象徴的に描いていて一読しただけではわかりにくい部分もあるかもしれないが、じっくり読んでいただければ当時の社会の様子・雰囲気が身に迫ってくると思う。 実際に出来上がった本の表紙やページ構成などが素晴らしい出来栄えで、私たち自身感動した。 初版300部のかなりの部分をメンバーが手分けして日本国内外のエスペランチストなどに贈呈した。受け取った人たちからは驚くほど好意的な反応が返ってきた。思いもかけなかった誤りなどを指摘していただいた方もある。我々自身も、出版後に至らぬところや誤りなどを見つけた。もし増刷することがあれば、いくつか訂正しなければならない。 --------------------------------------------- 12.Redakcio:vidis eksciis sentis: Gubernia limo sur fervoja kajo Kyooto(Kioto) kaj OOsaka estas najbaraj gubernioj. Sur kajo de stacio Yamazaki, linio Kyooto de la Fervojo JR, staras kruco, kiu montras limon de la du gubernioj. Jes, gxuste sur la kajo trairas la limo. Oriente de la kruco estas Kyooto, kaj okcidente estas OOsaka. --------------------------------------------- 13.La Movado:出口王仁三郎賞他 忍岡妙子さん出口王仁三郎賞受賞 忍岡妙子さんが2022年の出口王仁三郎賞を受賞したと、カナダ・モントリオールで開かれた世界エスペラント大会の閉会式でUEA理事のSo Jinsuさんが発表した。「核兵器廃絶を求めるヒバクシャ国際署名」のために広島平和公園にひとりで立って、111,000人分の署名を集めたこと、広島でオンラインの日本エスペラント大会を開催した、などの功績をたたえてのこと。 出口王仁三郎賞はエスペラント界の平和賞とも呼ばれ、2017年にはKomuna Seminario(東アジア青年エスペラントセミナー)に贈られ、1982年に礎を築いた日韓の元若者たちが代表し受け取った。 8月20日のPola Retradio (インターネット上のラジオ放送)が忍岡妙子さんの出口賞受賞について“Gazetaraj Komunikoj de UEA”に沿った内容で詳しく報じている(後半)。[←北川 郁子] ---------- ザメンホフ祭の予定 神戸・はりま 12月10日(土)13時〜17時、東播磨生活創造センター。 大阪・堺・富田林・奈良・和歌山 12月11日(日)13時半〜16時半、堺市総合福祉会館第3会議室(南海高野線堺東下車700m) 池田・茨木・吹田・高槻・豊中 12月18日(日)13時〜17時、池田中央公民館。 ---------- 第71回関西エスペラント大会 来年2023年6月3日(土)〜4日(日)に「イーグレひめじ」(姫路市。姫路城の目の前)で開催される。能楽師の江崎欽次朗さんの講演など。 はりまエスペラント会で詳細を検討中。 ---------- 京都の例会に外国人の訪問 7月13日(水)、オーストラリアのRuvi Lecamwasamさんが京都エスペラント会の例会を訪問した。物理学の研究者として、一年前から沖縄に滞在中の29歳。オーストラリアの自然や沖縄の生活について話を聞いた。 7月27日(水)、アメリカ人Brett Harknessさんが同会を訪問。26歳学生、専門は言語学とのことで、日本語も学んでいる。エスペラントはネットで独習したそうで、祇園祭見物のために京都へ来た。 両日とも、例会はSkype利用者もまじえて話がはずんだ。[←会報 Leterkolombo] ---------- 8月の土曜エスペラント会 オンラインで13日に開催された。出席11人。内2人が海外から。2時間半にわたって以下のテーマについて発表し話し合い、生きたエスペラントを楽しんだ。「阿波踊り( YouTube動画付き)」、「パッションフルーツ」、「ワルシャワ “El Inter Miloj” 展のLidia Zamenhof 」、「スタニスワフ・レムのSF小説『ソラリス』 」、「マーフィーの法則」、「小坂賞」。[←山川 修一] ---------- 第108回世界エスペラント大会 2023年7月29日(土)〜8月5日(土)イタリア、トリノ ---------- 第10回アジア・オセアニア大会 11月3日(木)〜6日(日)韓国、釜山 --------------------------------------------- 14.Tahira Minoru:Vortkruca enigmo Vicigu adekvate 9 literojn trovitajn en la kvadratetoj kun stelo. Tiam vi akiros nomon de homo, kiu kontrauxvole eskapis el sia hejmlando. Sendu la trovitan vorton kiel solvon de la enigmo gxis la 20-a de oktobro, paperposxte al la oficejo de KLEG, aux retposxte al Rimarko: (x) signifas, ke la vorto ne portas finajxon. Horizontale: 1. Cxiam estis milito en la 〜a historio. La milito cxiam dauxras nun ie. (x) 4. Mult〜e Putin minacis la homaron per nuklea armilo (x) 7. Konflikto inter Israelo kaj 〜aj landoj (x) 8. 〜vidi = vidi denove (x) 9. Cxu vi bezonas 〜rugxon por sxminko? (x) 10. Cxu 〜o estas esprimo de amo? (x) 12. 〜 movigxas en la rubujo. (x) 13. Cxu 〜o estas dangxera lingvo? (x) 16. Cxu estas io pli bona 〜 trinki alkoholajxon? (x) 17. La forto 〜 la vero (x) 19. Mi estas 〜o de KLEG. (x) 20. “Kafon? Teon? 〜an sukon?” “Nur akvon. mi petas.” (x) 22. Visxu vian korpon bone per man〜o. (x) 23. Ivan, la malsagx〜o (x) Vertikale: 1. 〜u min! Lupo! (x) 2. Sekreta armea bazo ne sur la 〜o (x) 3. Aligxu al la kontrauxmilita 〜a manifestacio! (x) 5. Nomo de la konstelacio (x) 6. 〜 aux ne? (x) 10. 〜 nia hejmo estas malricxa? (x) 11. Drogo, kiu detruas homojn kaj la landon (x) 14. Simpla logxejo por vivi sur la kampo (x) 15. Esperanto servas kiel 〜a lingvo. (x) 17. Letero 〜ita hieraux (x) 18.〜 la mondon...(x) 20. La polpo havas 〜brakojn. (x) 21. Ni 〜u cxiun tagon! (x) ---------- La solvo al la auxgusta enigmo: FANTOMO La gxustan solvon donis 14 legantoj: CA、庄山 美喜子、Sayuri、TADA、濱田 國貞、松川 まきこ、本田 照美、Grebo、島津 泰子、平井 倭佐子、にし のりこ、武藤 たつこ、水渡 篤子、Kacu --------------------------------------------- 15.Simatani Takesi:kultura heredajxo: 小倉百人一首 小倉百人一首 Cent Versis Utaon tradukis Simatani Takesi ---------- いまこむと いひしばかりに 長月の ありあけの月を 待ちいでつるかな (21素性法師859-922)恋 ---------- Cxar vi promesis veni al mi vespere, Mi atendadis, gxis aperis auxrore pala luno septembre! (Sosei Hoosxi) --------------------------------------------- 16.Mikspoto 地域FM放送「京都三条ラジオカフェ」に京都エスペラント会が提供する「エスペラントって何?」(水曜日13:04-13:10。http://radiocafe.jp/201603001/)の7月放送は、冨田成美さん:ドイツの肖像画家ヘルガさんに質問、成田和子さん:エスぺラントとの出会い。8月は相川節子:エスペラント文法の初歩の初歩。[←堀 泰雄] ---------- 在オーストラリア日本国大使館「南半球便り」(PDF)に、「『ヤクルト』という名前の由来は?」の答え:ヨーグルトを指すエスペラント語(世界共通語として考案された 言語)の「ヤフルト」に由来する。[←後藤 斉] ---------- 8月10日(水)付『読売新聞』(東京本社版)夕刊の「よみうり寸評」に先日亡くなった世界的デザイナー三宅一生さんが、作家の安岡章太郎さんとの対談で「エスペラント語というのがありますけれど、そんな服ができないかなあ、と思って…」と以前語っていたと。[←沖田 和海、岸田 準二] ---------- 広瀬浩二郎著 『世界はさわらないとわからない「ユニバーサル・ミュージアム」とは何か』 (平凡社、272頁、2022年)は全盲の触文化研究者が企画する、さわる博物館の話。岩橋武夫が点字のエスペラント辞典を出版したのがライトハウスの創業であること、日本の盲人エスペラント運動を主導したワシリー・エロシェンコのことなど。[←後藤 斉] ---------- 7月24日付週刊誌「新かながわ」に「エスペラント博物館よこはま」が「博物館を10倍楽しむ方法」として後藤仁敏(まさとし)氏(鶴見大学名誉教授、「新かながわ」記者)が博物館を紹介する連載記事のなかで6段抜き写真入りで紹介された。[←ドイ ヒロカズ] --------------------------------------------- 17.KLEG事務局だより 円安が止まりません。UEA等海外から仕入れる図書は、値上がりになる場合がありますが、ご理解ください。 ---------- 今年もKLEG合同ザメンホフ祭は開催しないことになりましたので、各地で準備をお願いします。 ---------- ザメンホフ祭で購入したい書籍・CDがありましたら、9月末までに事務局にご連絡ください。取り寄せます。 ---------- KLEG後援会へのご寄付(2022年8月、敬称略) 桔梗 隆  5,500円 梁池 忠夫 1,200円 伊藤 純子 600円 平岡 五城600円 ご支援、ありがとうございます。 --------------------------------------------- 18.Kurantaj vortoj(メタバースほか) メタバース metaverso, meta-universo チートデイ(ダイエット用語)fripona tago マルタ騎士団 Malta Ordeno, Ordeno de Malto --------------------------------------------- 19.編集ノート 第70回関西エスペラント大会の記念品のCD、“Junko kantas Esperante”の歌詞カードの訂正(PDF)が以下にあります:http://www.kleg.org/kek/kek70/kek70.htm ---------- 編集後記の紅茶カップがなぜ2つなのかはp.10 “Stereogramo”をご覧ください。(島谷 剛) --------------------------------------------- 20.図書広告 新刊・新着 Raportoj el Japanio 25 1500円 堀泰雄の「報告」最新刊。ウクライナ情勢、福島や足尾の訪問記、島崎敏一の手紙、世界のトイレ見聞録など内容は多彩。A5版、224p. ---------- Lerni e-legante 3100円 sxtupoj al pli vasta vortprovizo―36章のテーマに沿って1400の単語を学ぶ。写真やイラストも豊富。グループにおすすめ。B5版、172p. ---------- La malgranda fantomo 1400円 お城に住む小さなおばけは昼間の世界をのぞいてみたくてたまらない。『大どろぼうホッツェンプロッツ』の作者プロイスラーの作品。A5版、112p. ---------- 学び、深めるエスペラント エスペラント 日本語を話すあなたに880円 藤巻謙一著。日本語と比較しながらエスペラントを概観する。新しい視点で学ぶエスペラント。 ---------- エスペラント中級独習 2200円 藤巻謙一著。通信講座指導の成果を活かした練習メニュー満載。朗読CD(MP3形式)付き。 ---------- エスペラント文法の散歩道 1000円 「単数か複数か」「いろいろなde」「laの用法」など文法知識の整理と活用に(改訂新版)。 ---------- Ekzercoj de Zamenhof 300円 「エスペラント基本文例集」。ザメンホフの”Ek-zercoj”と”La Feino”を初心者のために再編集。 ---------- Esenco kaj estonteco de la ideo de lingvo internacia 600円 エスペラントの原点を示すザメンホフによる論文。 ---------- エスペラント運動を考える−La Movado誌から 1000円 本誌掲載の論説56編を収録(峰芳隆編)。運動の現在と将来を考えるための好個の一冊。 ---------- Kalle Kniivil〓のロシアレポート Homoj de Putin(第2版) 2100円 プーチン体制下で暮らす人びとの声。 ---------- Idoj de la imperio 2300円 バルト三国にくらすロシア人をルポ。 Krimeo estas nia 2200円 クリミアについての人びとの肉声。 ---------- La malamiko de Putin 2200円 プーチンの政敵ナワリヌイとは何者か。毒殺未遂事件の真相は。渾身のレポート。 ---------- ご注文は郵便、ファクス、電子メールで。送料は実費。現品と一緒に請求書を送ります。支払いは振替口座で。